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アラタ建設T設計士による建築のお話 第5話『健康住宅』 ~積極的に健康維持する家づくり~

2021.08.30 家作りコラム快適な家づくり

『健康住宅』・・・ってどんな家づくり?

住宅メーカー・工務店が謳っている健康住宅、どんな造りなのでしょう。

無垢材を使っているから、ホルムアルデヒドを放出しません!だから健康にいい・・・とか、
壁にはクロスは使いません!珪藻土や漆喰を塗るから調湿性が良くなります、だから快適な室内環境が作れます。
・・・と言う風にセールストークで使っているのではないでしょうか?

リビング・ダイニングの床は無垢フロアーを使い、壁は珪藻土を塗り、その他はどんな仕様なのでしょうネ?
これが健康住宅なのでしょうか??本当にこれで良いのか???
皆さんはどう思われますか?


実のところどんな材料を選べば本当の健康住宅と言えるのか・・・わかりません。
またどれだけの面積に使えば効果が出るのかも分かりません。
全ての床・壁・天井に使用しなければ本当の健康住宅にならないのかもしれません・・・ネ。

コストとの戦い

確かに無垢材や珪藻土・漆喰などは自然素材だから「安心」「安全」と言えるかもしれませんが・・・。

無垢材について (注釈*1)
珪藻土について (注釈*2)
漆喰について (注釈*3)


無垢材でも化学物質を放出しています。それが人(少数の人)によっては有害になる事もあるそうです。
家族全員にアレルギーチェックした上で材料選びをしないといけなくなるかもしれませんね。

素材選びだけでは無いです!!
・・・え?まだ何か考えないといけないの?・・・そうです!!
プランもそうですし、空気環境も考えないといけません!
プラン・・・は、家族全員の生活環境を考える必要があります。行動様式が一人ひとり違うためです。
又、以後ことの良い暮らしをする、勉強に集中しやすいレイアウト・色遣いなども考えなければいけません。

空気環境・・・は、最近の家づくりは高断熱・高気密(ZEH・スマートハウス・LCCM住宅)づくりになって、
気密がよくなっています。
だから、空気環境をよくしないと身体に良くないです。

アラタ建設では1種換気システムを提案します。
システム的には単純な循環型です。
新鮮な空気をフィルターで濾過し室内へ・室内の空気は廃坑からダクトを経由し屋外へ排出します。
これだけで空気環境が保たれます。

上記内容はウエルネス (注釈*4) の理論をベースに考えて、よりよい住宅設計をしていこうと試行錯誤しながら進めていっています。
興味を持たれたらご一報をいただけたらと思います。
注釈
(*1):無垢材
木には湿度や乾燥を軽減する効果があります。無数の導管と呼ばれる細胞を持っているからです。
木は鉄やコンクリートニ比べ熱伝導率が極端に低いと言う特性を持っています。
その為、暑さ寒さから身体を優しく守ってくれます。
その上、無垢ならではの肌触り・程よい硬さと温かみを提供し続けます。
又、木にはフィトンチッドという精油分を持っています。これは精神を落ち着かせ気分を和らげる効果があり
不快に感じる匂いを消臭・脱臭してくれる効果もあります。

(*2):珪藻土
珪藻土は植物性プランクトンの化石が堆積して出来た地層から掘り出した【土】の事です。
植物性プランクトンの死骸には骨の部分と身の部分があり、身は地中に溶け石油などの資源になり
骨の部分が珪藻土として残ります。その骨の構造が「多孔性」という性質を備えているため、調湿機能を発揮するのです。
ただ掘り出した土そのままでは調湿性能は出ません。加工が必要です。
1000℃近くの高温で焼きます。そうすると多孔の穴に詰まっていた物が除去され、調湿効果を発揮することができるようになります。
調湿材と名乗るためには、JISの評価基準70g/㎡/24h以上ないと名乗る事はできません。

(*3):漆喰
漆喰とは、石灰岩を焼いて生石灰を作りそれに水を加えて消石灰にしフノリなどを加えてできた物です。
現在使われている物は、接着剤が入っています。
漆喰は調湿性能があるとおもわれていますが、実はありません。
漆喰を15cm、20cm塗ると吸い込みがあるので、調湿性能があると勘違いされるのではないでしょうか。
実際、住宅等での塗り厚は1~2㎜です。
一般的な漆喰の調湿性は40g/㎡/24h程度なので、調湿材とは言えないのです。

(*4):ウエルネスとは
栄養・運動・休養の調和を図り健康づくりを行うことが目的の一つですが
単に身体の健康づくりばかりでなく、日常の行動様式と生活態度を変容し
自分自身に適合した「最高のライフスタイル」を築くことを目的としています。